更新日:2024年03月21日
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教える技術のスキルアップ!インストラクショナルデザインのブログ【新しいスキルを効果的に教える方法】
新しく教えるスキルをは正確に、確実に身につけて欲しいものです。
今回は、新しいスキルを効果的に教える方法についてIDの理論に基づき解説します。
新入社員研修なら、名刺交換のスキル、アサーティブコミュニケーションなら、アサーティブに伝えるスキル、管理職を対象にした研修ならマネジメントのスキルなど、毎回、研修やセミナーの中で、何らかの新しいスキルを教えます。
鈴木(2013)は、M・デイビッド・メリルが提唱する「IDの第一原理」の三番目の原理を以下のように引用して紹介しています。
「『基本的な情報』を与える時には、能書きではなく例を示せ。Tell me ではなく、Show meだ。」また、「手順を教えるときには、全体像を見せてからステップごとに切り離して練習をさせて最後に統合する。」
新しい概念やスキルを効果的に教える方法を示したものです。この原理を「アサーティブコミュニケーションを教えるとき」を例に説明します。
「アサーティブコミュニケーションについて説明します。相手の立場や気持ちを尊重しつつ、率直に自分の気持ちや意見を伝えるコミュニケーション方法です」。これは、アサーティブコミュニケーションの概念を表す正い説明ですが、抽象的で難しく感じます。
では、次の説明はどうでしょうか。
「アサーティブコミュニケーションが上手くできた例とできていない例を挙げます。ある日、あなたはカフェで温かいカプチーノを注文したら、とても冷たいフラペチーノが出てきました。その時、あなたならどのような反応や行動を示しますか。」
①「へぇ~、プラペチーノって温かい飲み物なんですね。」(嫌味っぽい)
②「暖かいカプチーノが飲みたかったけど、我慢するか。」(我慢)
③「注文したのはカプチーノなのでとりかえていただけますか?」(アサーティブ)
「3つのうち、どの反応が、率直に自分の気持ちや意見を伝えていますか。答えは③ですよね。このように、相手の立場や気持ちを尊重しつつ、率直に自分の気持ちや意見を伝えるコミュニケーション方法のことをアサーティブコミュニケーションといいます。」
「基本的な情報」を与えるときには、能書きではなく例を示していますね。Tell me ではなく、Show meが重要です。
次に、アサーティブコミュニケーションの演習を行います。
「手順を教えるときには、全体像を見せてからステップごとに切り離して練習をさせて最後に統合する。」という原則に従い、まず、講師が職場で発生しそうなシナリオでアサーティブな会話を提示します。ここでは講師がやってみせることが重要です。
そして、アサーティブコミュニケーショのの4つのステップ、Describe(状況を伝える)、Explain (感情を伝える)、Specify (要求を伝える)、提案、Choose (代案を伝える)の手順をステップごとに練習してもらいます。
最後に、職場でよくある事例を用いて、講師が提示した見本のように最初から最後までを統合して演習します。
ロールプレイングも同様です。最初に、講師が参加者に対して、ロールプレイングのデモンストレーションを行います。次に、各ステップを詳しく解説し、参加者はステップごとに練習を行います。最後に、全体を通したロールプレイングを行います。この方法により参加者は徐々にスキルを習得し、自信をつけることができます。
<参考文献>
鈴木克昭・根本淳子(2011).教育設計についての三つの第一原理の誕生をめぐって 教育システム情報学会,28(2),168-176
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